前時代的なスポーツの考え方を断ち切る「スポーツ世直し隊」

体罰、暴言、非科学的な根性論……。
かつてこのような言葉は、部活動やスポーツを語るのによく使われました。
時代は令和を迎え、スポーツに対するこのような誤った考え方は払拭されつつあるように見えますが、本当でしょうか?
スポーツクラブや部活動の指導者は、いまだにこのような考え方に縛られていないでしょうか?

「どうすれば世界と戦えるアスリートを育てられるのか?」
「スポーツを通じて成長しつづけられる人間を育てるにはどうすればいいのか?」
私はこの課題に取り組み、2012年に医学博士論文で実証。
その方法を日本国内に広めるべく、これまで6万人に実施した講演会をはじめ、さまざまな活動を行っています。

そのひとつが、大垣市体育連盟と共催しているスポーツスクール活動です。
2010年からスポーツ経営学科の学生と一緒に取り組んでいるこの活動は、大垣市内の小学1、2年生を対象に「バルシューレ」(*1)という運動メソッドを指導。そのなかで、医学的に実証されたマインドセット(*2)を伝えています。
スポーツを通じて巧みに動ける体づくりを目指すほか、仲間との助け合いや競争から、より良い人間関係をつくっていくことが大きな目的です。

スポーツの指導者や子どもを持つ親などに対しても、前時代的なマインドセットをあらため、医学的、科学的な根拠に基づいた正しいスポーツの在り方、正しいこころ(メンタル)の在り方を理解していただきたいと思っています。

このような活動によって、子どもたちが強いこころを持つアスリートや精神的に自立した大人に成長していってくれることを願っています。
いまこそ、スポーツに対する誤ったマインドセットを完全に断ち切り、スポーツの悪循環から好循環へ転換させる大きなチャンス。
この活動を継続していくことが、その実現に少しでも近づく方法だと考えています。

*1 マインドセット……これまでの経験や教育、先入観から作られる思考パターンや固定化された考え方のこと
*2 バルシューレ……ドイツ・ハイデルベルク大学で開発された子どものボールゲーム。野球やバレーボール、テニス、サッカーなどのさまざまなボール運動の要素を抽出している


経営学部 髙橋 正紀 先生

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