白川郷を応援する団体「白川郷もりあげ隊」からSOSが入ったのは、2017年の秋。
岐阜県・白川郷は世界遺産に登録されて20年が経ちますが、観光客の滞在時間が短いことから、なかなかお金を落としてくれない。
ツアーや観光ガイドも決まった場所しか行かない。何とかならないだろうか。SOSの内容はそんな悲痛な叫びでした。
そこで白川郷の地域課題を解決するため、GKUの学生たちでプロジェクトチームを発足。
さまざまな検討の結果「アプリ、ゆるキャラ、自動販売機」を活用するプランを立てます。
郷内各所に設置されている自販機にQRコードを貼り付け、ゆるキャラ「しらかわGOくん」をあしらったスマートフォンのアプリでそれを読み込むと、デジタルスタンプがもらえるスタンプラリーを企画。
さらにこのアプリを活用したイベントも開催することで、デジタルとアナログ、それぞれの良さを活かそうとしたのです。
その後、数度のアップデートを重ねることで、多くの観光客に利用してもらい、滞在時間のさらなる延長、これまで注目されなかった文化財への誘導に成功しました。
「アプリ、ゆるキャラ、自動販売機」の連携が放った、逆転満塁サヨナラホームラン。
その満塁打は、窮地に追い込まれていた白川郷を持続可能な観光地に変貌させたのです。